課題
- 新プラント開設に伴い、医薬品の品質要件を満たす製造実行システムの導入が必要
- 医薬品製造のGMP(Good Manufacturing Practice)に適合した製造記録の作成業務の効率化やペーパーレス化が不可欠
- 完全自動化を目指すため導入するMESでは、ERPや、DCS(Distributed Control System:分散制御システム)など各種製造装置との自動連携が必要
導入製品・ソリューション
医薬品業界向け製造実行システム「Werum PAS-X MES」
プロジェクトの背景
「グリセリンから、未来をつくる。」というビジョンのもと、100%植物由来グリセリンと、その誘導体の開発・製造・販売をコアビジネスとして展開している阪本薬品工業。同社にてグリセリン製造の中核拠点として機能しているのが、大阪にある泉北工場である。同工場では「ISO9001」「ISO14001」をはじめ、医薬品や食品添加物の製造業許可や、持続可能なパーム油生産を保証する「RSPO(Roundtable on SustainablePalm Oil)サプライチェーン認証システムMB(Mass Balance)モデル」認証などを取得しており、高品質のグリセリン製品を安定的に製造・供給している。また、2022年2月からは年間約2万トンに上る 製造能力を持つ新プラント「第2RG設備」を操業開始した。
「泉北工場が追求しているのは、環境性能に優れた高品質のグリセリン製品を安定的に生産するだけではなく、デジタル技術とデータを駆使しながら生産効率を高め、最終的には製造の全自動化を実現することです。その目的に沿って建設した新プラントが第2RG設備です」と、泉北工場 工場長の峯 嘉宏 氏は説明する。
そうした生産の効率化のために第2RG設備に採用されたシステムの1つが、B-EN-Gが導入支援サービスを展開している医薬品業界特化の製造実行システム(MES)、「Werum PAS-X MES」(以下、PAS-X)である。
導入の効果
- 医薬品業界特化のパッケージであるPAS-Xの活用により、GMP遵守のプラントが完成
- 製造実績データの製造装置からの自動収集と、製造記録のペーパーレス化を実現
- ERPや各種製造装置とPAS-Xの自動連携を実現し、タブレットのタッチ操作で製造が開始される環境を構築、製造の自動化を実現
- 供給先である製薬会社の監査対応にも「信頼あるMESの使用」が貢献
導入のポイント
- プロジェクト内にプロジェクトマネジメントオフィサーを置き、参画する複数のベンダーを取りまとめる体制を構築
- 医薬品業界での導入実績が豊富なPAS-Xの採用
- 医薬品製造やコンピューター化システムバリデーション(CSV)に関する知見と経験が豊富なB-EN-Gによる支援
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