事例

ネオクリティケア製薬株式会社様

複数モジュールを短期で導入 B-EN-GpによるSAP S/4HANA導入プロジェクト事例

ネオクリティケア製薬株式会社様

課題

  • グループ再編により、基幹システムを短期間で新たに構築する必要があった
  • システム間連携機能にてエラーが生じることがあった
  • 導入後の1社単独運用については、不安があった

導入製品・ソリューション

SAP S/4HANA、製薬業向け導入テンプレート「B-EN-Gp

プロジェクトの背景

ネオクリティケア製薬は、医療現場ですぐに使用でき(Ready-To-Use)、細菌汚染や空気汚染の恐れの少ないソフトバッグ製剤等を開発、製造、販売している製薬会社である。自らの販売網による医薬品供給のほか、多数の製薬会社から受託製造(新薬・長期収載品・ジェネリック)も行っている。

2019年、同社はグループ再編によってこれまで利用していた基幹システムSAP ECC6.0からの離脱を迫られていた。既存システムの利用には期限があることに加え、利用範囲としても、財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、購買・在庫管理(MM)、生産管理(PP)、品質管理(QM)から受発注データ交換システムに至るまで広範であったため、離脱プロジェクトは大変チャレンジングなものになると予想されていた。

新たなシステムの選定の際、SAP以外も候補に上がったが、これまでSAP ERPを活用してきたという自負と、業務運用上の安心感、そして「ERP」として経営計画に資するシステムであるという実感から、SAP製品に決定。SAP ECC6.0へのリプレイスも考えたが、当時2025年に迫っていたサポート期限問題(後にサポート期限は2027年まで延長)を踏まえ、SAP S/4HANAを選択した。

導入パートナーにB-EN-Gを採用した理由

同社では、導入パートナーとしてB-EN-Gを選択した。

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経営管理本部IT統括部長
三谷 仁史 氏

B-EN-Gは、「SAP導入実績の多さ」に加え、医薬品業界データ交換システム「JD-NET」連携を含む製薬業向けのテンプレート「B-EN-Gp」を有しており、その導入実績は20社を超えていた。さらに、「製薬に対する深い造詣」に加え「温和な人柄(カルチャー)」を兼ね備えており、「離脱後の1社単独運用」という同社の不安を和らげてくれる最良のパートナーになると考えたためである。

経営管理本部IT統括部長の三谷 仁史 氏は、プロジェクトの成功要因の一つとして「7年に及ぶECC6.0運用中に、SAPユーザーに無意識に刷り込まれた『標準機能を使う』考えと、B-EN-Gの考え方がマッチした」ことを挙げている。

導入プロジェクトの概要

■ネオクリティケア製薬におけるSAP S/4HANA導入範囲

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導入のポイント

前述のとおり、標準機能もしくはB-EN-Gpに含まれる機能を原則とした。

アドオン開発を極力なくせたのはIT統括部メンバーが入念に行った説明と新業務プロセスを業務ユーザーと一緒に考えていった姿勢である。
もちろん、基幹システム変更の影響を受けるのは社内だけではない。システムの切り替えにあたっては、数か月前からメインの取引先に赴き、新システムへの切り替えによる帳票の変更点などを細かく説明し理解を得た後、その他の取引先へ説明を展開した。結果的に個別対応でアドオン開発を行うといった事態も避けられたとのことである。

導入の効果

  • 何よりも喜ばしい、より安定的な業務
  • 1社単独運用による不安を和らげてくれる心強いパートナーの存在
  • 標準機能やテンプレートの最大活用による、SAP S/4HANAアップグレード将来工数の抑止

昨今の医薬品GMP現場では、「データインテグリティ」がキーワードであり、デジタル化・システム化は避けて通れない。同社は、さらなる発展のために、B-EN-Gが持つ様々なソリューションのみならず、それを具現化しえる同朋に期待を寄せている。

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