欧州のSAP専門家が日本のIT企業と協業する理由
Dr. Axel Henning Saleck氏が語る、
B-EN-Gの強みとグローバル展開の可能性

2026.07.06

グローバル
#ERP #ものづくり

2025年5月、B-EN-Gは欧州に拠点を持つITコンサルティング企業2社と戦略的パートナーシップを締結しました。パートナーの一人であるDr. Axel Henning Saleck氏(以下、Axel氏)は、SAPのグローバル技術協業拠点「Co-Innovation Lab」の元責任者として、米国やBRIC諸国にも展開するグローバルCo-Innovation Labネットワークを構築した、国際プロジェクトの経験豊富な専門家です。Axel氏はなぜ、B-EN-Gとの協業を決めたのでしょうか。パートナーシップの背景と、日欧協業がもたらすビジネスの可能性についてお聞きしました。

Axelさん Dr. Axel Henning Saleck 氏

Dr. Axel Henning Saleck(アクセル・ヘニング・サレック)氏

Saleck Consulting GmbH 代表。
物理学者としてのキャリアを経て1996年にSAP入社。ラテンアメリカ向け製品開発、SAP Japan開発センター副所長を歴任後、グローバルCo-Innovation Lab責任者として米国・BRIC諸国に技術協業拠点を構築。独立後も国際的なSAPプロジェクトおよび製造業のグローバル展開を支援。
2025年5月にSAPのグローバル展開を軸にB-EN-Gおよびmsg Plautと戦略的パートナーシップを締結し、日欧の製造業をつなぐ架け橋として活動している。

B-EN-Gとの出会い
20年前、「最初のパートナー」に選ばれた理由

Axel氏がB-EN-Gと出会ったのは約20年前のことです。物理学の研究者からSAPに転じたAxel氏は、ラテンアメリカ向け製品開発を経て2004年に来日し、SAP JapanSAPの最新テクノロジーを日本企業の技術力と結びつけることを狙い、パートナー企業との技術協業を推進する新部門の設立を提案しました。
その構想に応じたのがB-EN-Gでした。
B-EN-Gは、SAPが掲げていた最新のアーキテクチャに専門体制を構築した最初のパートナーでした。当時の日本のSAPパートナーの多くが保守的なアプローチを取る中、B-EN-Gの姿勢はまったく異なりました。良い技術を見つけると、『これは素晴らしい、皆が使うべきだ』とすぐに行動する。その挑戦的な姿勢を持つB-EN-Gが最初のパートナーになったのは、自然な流れでした」

戦略的パートナーシップの目的
なぜ今、欧州との連携なのか

それから20年、世界のビジネス環境は大きく変わりました。日本も欧州も、成熟した経済圏でありながら変化する世界に対応しなければならないという共通の課題を抱えています。Axel氏は「どちらも孤立しては上手くやっていけない」と指摘します。
B-EN-Gはこれまでアジアを中心にグローバル展開を推進してきました。しかし近年、顧客である日本の製造業から欧米地域への進出に関する相談が増加しています。B-EN-Gは、この流れを好機と捉え、欧州とのパートナーシップに踏み出しました。
「世界はますます予測困難になっていますが、多くの日本企業にとってグローバルな事業活動は不可欠です。B-EN-Gの顧客企業のビジネスはアジアだけにとどまりません。日本企業の欧州展開、そして欧州企業のアジア進出を相互に支援することで、国や地域を越えた新たな成長機会とグローバルでの価値創造を実現する。それが、このパートナーシップの目的です」

B-EN-GのSAPビジネスのグローバル展開を支えるパートナーにmsg Plautを推薦した理由として、Axel氏は「信頼」を最も重要な要素に挙げます。
msg PlautB-EN-Gは、企業規模も近く、両社ともERPビジネスおよび製造業領域において豊富な知見と実績を有しています。そのため、互いに良きディスカッションパートナーとして学び合える関係であり、また事業展開エリアにおいても補完関係にあります。短期的な案件単位の協業ではなく、長期的な信頼関係を基盤として、それぞれの強みを活かしながら、お客様に最善のサービスを提供していく。このパートナーシップによって新たな価値を創出できると信じています」
Axel氏は自身の役割を、両社をつなぐ「接着剤」だと表現します。Co-Innovation Lab時代に米国・ブラジル・インド・中国などで拠点を構築し、異なる文化や組織を橋渡ししてきた経験が、この役割を支えています。

コンサルティング会社からプロダクトも持つ会社へ
20年で変わったこと

では、長年B-EN-Gを見てきたAxel氏は現在のB-EN-Gをどのように感じているのでしょうか。Axel氏が挙げる最大の変化は「プロダクトも持つ会社への進化」です。
20年前のmcframeは、まだシェアも小さく、発展途上の製品でした。現在は製造業のサプライチェーン領域におけるデファクトスタンダードともいえる製品に成長しています。B-EN-Gはコンサルティング会社として出発しましたが、今ではプロダクト会社としての顔も持っています。標準化された開発体制、専門的なサポート、クラウド対応、ロールアウト戦略など、プロダクト会社としてのセットアップを着実に整えてきました」
さらにAxel氏は、B-EN-Gの独自性についてこう続けます。
B-EN-Gは日本初のSAPパートナーであるだけでなく、特定の業界に深い専門知識を持っています。加えて、mcframeGLASIAOUSといった自社製品も展開している。コンサルティング力とプロダクト力の組み合わせが、B-EN-Gをユニークな存在にしています」

日本の製造現場の知見を世界へ
mcframeの欧州展開

SAPビジネスの展開に加えて、Axel氏はmcframeの欧州展開にも強い期待を寄せています。
B-EN-Gは、mcframeを通じて日本の製造現場で培ったプラクティスを欧州に届けることができます。それは日系企業の製造拠点に限りません。特に東欧の製造業には、新しいアプローチに対して柔軟で前向きな姿勢があります。一方で、欧州の製造現場から日本企業側にとっても、価値のあるプラクティスを学ぶ機会もある。mcframeは柔軟なソリューションであり、そうした双方の知見を取り込んでいける製品です」

グローバリゼーションクラブ

こうした展開を実現するうえで欠かせないのは、異なるバックグラウンドを持つ人同士がオープンに会話ができる関係づくりだと、Axel氏は考えています。そのような考えのもと、Axel氏は、パートナーとしての協業にとどまらず、B-EN-G社員の国際コミュニケーション力の強化(Globalization Club)にも携わるなど、B-EN-Gのグローバル展開を多面的に支えています。
その支えを力に、B-EN-Gは欧州進出への取り組みをさらに加速させ、グローバル事業の新たなステージへと歩みを進めていきます。

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