事業のグローバル展開が加速する中、B-EN-Gでは社員が自主的に英語力を高め、国際的なビジネスコミュニケーション能力を養う場が生まれました。その名も「Globalization Club」。海外の文化や英語に触れながら、英語での会話に対する心理的なハードルを下げることを目指す取り組みです。
「英語を使う機会を作りたい、異文化に触れ世界へ視野を広げて欲しい」という思いから
グローバルビジネスの現場では、流暢な英語よりも「相手に伝えようとする意欲」や「コミュニケーションを諦めない姿勢」が求められる場面が多くあります。Globalization Clubは、そうした実践的な力を養う場として始まりました。同クラブの運営に携わるソリューション事業本部の中村 新さんは、この取り組みを始めたきっかけをこう語ります。
「B-EN-Gの主要顧客である製造業各社は、市場変化に対応し、さらなる成長を実現するため、海外展開を強化し、海外売上高比率のさらなる向上を目指されています。お客様の事業活動のグローバル化が進む中で、その事業戦略を支援し、クロスボーダーな課題解決をするためには、B-EN-Gメンバー自身が海外に目を向け、共通言語である英語力を伸ばす必要がある。一方で、日常業務の中で英語を使う機会はまだ限られている社員も多い。英語力の向上には、まず『英語を使うことへの抵抗感』を取り除くことが重要だと考えました。完璧な英語である必要はなく、まずは伝えようとする姿勢を持つこと。そのための場を作りたいと思いました」
こうした思いを形にするため、Globalization Clubでは「完璧な英語でなくていい」「ビジネス会議ではない」「参加は自由で柔軟に」「お互いを称え合おう」といった7つのグラウンドルールが設けられています。このルールが、参加者が安心して英語に挑戦できる環境を作り出しています。
初めてのリアル開催が実現
普段はオンラインで実施されている同クラブですが、今回は初めてリアルでの開催が実現しました。英語でのコミュニケーションをサポートするのは、B-EN-Gのビジネスパートナーであり、グローバルネットワークの一員でもある Axel Henning Saleckさんです。Axelさんは海外拠点との連携において重要な役割を担っており、B-EN-Gのグローバル展開を支えるキーパーソンの一人です。(※)
日本で働いていた経験もあり、実は少し日本語を理解できるAxelさんですが、クラブ中は英語のみで話すというルールを徹底し、発表者の説明を辛抱強く聞いてくださいます。この姿勢が、参加者に「英語で伝える」ことへの真剣な取り組みを促しています。
参加者は、入社1~2年目の若手からベテランまで、約20名。英語スキルのレベルは様々でしたが、全員が「伝えること」に集中し、活発なコミュニケーションが展開されました。幅広いレベルの社員が集まったことで、互いに刺激し合い、学び合う雰囲気が生まれていました。レベルの違いを気にすることなく、それぞれが自分のペースで英語に向き合う姿が印象的でした。
(※B-EN-G、製造業×SAP領域におけるグローバルIT支援強化に向けて欧州拠点のITコンサルティング企業2社とパートナーシップを構築)
実践を通じた学び
当日、参加者は原則英語で発言するルールのもと、複数のアクティビティに取り組みました。会場には最初こそ緊張した空気が漂っていましたが、アクティビティが進むにつれて、笑顔や笑い声が増えていきました。
英語でのグループワークでは、世界の国名を英語で書き出すゲームを実施しました。普段何気なく使っているカタカナ表記の国名を、正確な英語表記で書き出す作業は、思いのほか難しく、参加者からは「意外と知らない国名が多かった」という声も上がりました。チームで協力しながら答えを出していく過程で、自然と英語でのコミュニケーションが生まれ、「これってどう書くんだっけ?」「こっちの方が正しいんじゃない?」といった英語でのやり取りが飛び交いました。
また、参加者一人ひとりが英語でプレゼンテーションを行う時間も設けられました。簡単な挨拶から趣味や仕事の内容まで、各自が工夫しながら英語で表現しました。ただ一方的に話すだけでなく、プレゼンの内容を踏まえてAxelさんへ質問を投げかけるなど、相手との会話を想定した実践的なやり取りも行われました。
参加者からは「What kind of projects have you worked on (今まで、どんなプロジェクトで働いていましたか) ?」「What are the best places to visit in Europe (ヨーロッパでお勧めの旅行先は) ?」「Do you have any hobbies (趣味はありますか) ?」といった様々な質問が飛び交いました。
それに対し、Axelさんも丁寧に答えながら、参加者の英語表現をフォローする場面も見られました。
この双方向のコミュニケーションが、より実践的な英語力の向上につながっています。
文法や発音の間違いを恐れず、身振り手振りも交えながら伝えようとする参加者の姿勢に、Axelさんからも「みなさんの英語はよく理解できた。自信を持って練習を継続すればどんどん向上するので、頑張って欲しい」というメッセージが送られました。
参加者の声
クラブに参加した社員からは、次のような感想が寄せられました。
「対面で、Axelさんへプレゼンし対話するのは、緊張しましたが楽しかったです」
「英語に対する苦手意識が減りました。文法が完璧でなくても、伝えようとする努力が大事だと実感できました」
「多くの参加者が流ちょうに英語を話していたことが印象的でした。私も頑張らねばと感化されました」
「普段の業務では英語を使う機会がほとんどないので、こういう場があるのはとてもありがたい。次回も参加したいです」
こうした声からは、英語を使うことへの心理的な抵抗が軽減され、コミュニケーションへの前向きな姿勢が育まれている様子が伝わってきます。
これからのグローバル展開に向けて
B-EN-Gは中国、タイ、シンガポール、インドネシア、アメリカに海外子会社を有し、アジアを中心としたグローバル展開を推進しています。さらに、2025年5月に発表した欧州のコンサルティング企業との戦略的パートナーシップを通じて、欧州地域でのビジネス展開も加速させています。
今後、グローバルで事業を維持・発展させるための「適応型グローバル展開(Adaptive Globalization)」を実現するためには、各地域の特性や文化を理解し、現地のパートナーと円滑にコミュニケーションを取れる人材が不可欠です。アジア新興国市場を基盤とした独自のビジネスモデルの確立や、海外拠点の拡大、新しい国への進出といったB-EN-Gのグローバル戦略のためにも、社員一人ひとりが「伝えようとする姿勢」を持つことが重要です。
中村さんは、今後の展望についてこう語ります。
「今回のリアル開催を通じて、対面でのコミュニケーションの重要性を改めて感じました。オンラインも便利ですが、やはり同じ空間で顔を合わせることで生まれる一体感や学びの深さは格別です。今回の対面開催で築いた信頼関係を活かし、今後も楽しく学べる空間を作り、より多くの社員に参加してもらえる場にしていきたいですね。そして、このクラブで培った経験を、実際の海外プロジェクトやグローバルな業務の中で活かしてもらえたら嬉しいです」
社員発案の「Globalization Club」は、今後も継続的に開催され、B-EN-Gのグローバル展開を支える人材を育成していきます。完璧な英語力ではなく、「伝えたい」という想いこそが、国境を越えたコミュニケーションの起点です。英語への小さな一歩が、やがて世界中のパートナーとの協働につながり、新たなビジネスの可能性を切り拓いていく。B-EN-Gは、社員一人ひとりの挑戦とともに、グローバルな舞台でさらなる成長を遂げていきます。


