駐在員日記

【グローバル拠点レポート】中国内陸部での新たな挑戦 - B-EN-G上海・重慶分公司開設レポート -

2025.08.19

B-EN-Gの人 グローバル
#中国

你好(ニーハオ)!B-EN-G上海(毕恩吉商务信息系统工程(上海)有限公司)の徐熠帅です。
INSIDE-Bに寄稿させていただくのは今回が初めてとなります。
この度、2025年1月にB-EN-G上海が重慶に分公司(支店)を開設いたしました。
中国内陸部への新たな展開として、その背景と取り組みについてご報告いたします。

世界最大の直轄市・重慶

皆様、重慶という都市をご存じですか?内陸部にあり、夏は気温が40度を超える日が続く、重慶火鍋で有名な都市として耳にされた方も多いのではないかと思います。
重慶市は北京市、上海市、天津市と並ぶ直轄市で、都市部と農村部を合わせた広大な地域に、人口3,200万人を擁する世界最大級の市です。(※中国の「直轄市」は省と同等の行政区の事です。)
主な産業は、電子・電気製造業、二輪車製造業、自動車製造業などで、多くの日本企業が進出しています。

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出典:中国まるごと百科事典(https://www.allchinainfo.com/outline/chinamaps/)

大都市の利便性と自然豊かな風景を併せ持つ重慶は、歴史文化遺跡や美しい景観、そして何より美味しい料理で知られています。2024年に中国がビザ免除となって以降、外国人観光客からも人気のある観光地になりました。

人材確保も想定した戦略的な分公司設立

そのような都市の中に新設した分公司は、重慶江北国際機場(空港)から車で約1時間の九龍坡区に位置します。長江と嘉陵江に挟まれた市の中心部で、まさに重慶の心臓部といえる場所にあります。

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分公司設立の背景には、中国の社会的な慣行も影響しています。中国では一定の年齢になると上海などの都市部から、自身の出生地の近くで働きたいと考えて、転職・引っ越しをする傾向があります。そのため、当社で働いていたメンバーも重慶に戻ることを決め、退職してしまいました。当初は独立して当社の業務を請け負っていましたが、やはり「B-EN-Gグループのメンバーとして活躍してほしい」という思いが分公司設立の発端となりました。

加えて、中国の内陸部発展を見据えた市場戦略的な判断もあります。中国政府が推進する「西部大開発」政策により、重慶を含む内陸部への投資が加速しており、多くの企業が沿海部から内陸部へと事業展開を図っています。こうした政策的な追い風を受け、製造業も多く立地する重慶及び周辺地域でのmcframeニーズの拡大も期待されています。

また、コスト面での優位性も重要な要因です。重慶の物価は上海より若干安い程度ですが、住居費(アパート代)は上海の20~25%と、かなり手ごろな家賃になっています。
事業拡大に伴い、上海で今より広いオフィスへ移転するより、重慶で広くて安価な拠点を構える方が今後、内陸部での事業展開を見据えたとき、非常に大きなメリットになると思います。

人材確保の観点では、重慶の教育環境の充実も見逃せません。日本人は約300人と重慶全体の人口と比較するとごくわずかですが、人口の多さから大学が18校もあり、日本語学科を持つ大学もあります。
そのため、日本語を話す中国人、特に若い人材を比較的採用しやすいという特徴があります。このような環境下で、将来的に重慶出身のメンバーや日本語を話せる若手メンバーを積極的に採用し、B-EN-Gグループの成長を支える人材基盤を構築しようと考えています。

現在重慶では、7名の社員が働いています。社員はmcframeの導入、開発、保守業務を中心に行っており、営業活動はまだ実施していません。当面はコンサルタントや開発者の増員を図り、将来的には内陸部の営業拠点としても発展させていく方針です。

距離を超えた、一体感の醸成

上海と重慶は飛行機で2時間半の距離にありますが、新年会では重慶の全社員が上海に来て参加します。また、定期的に上海のメンバーが重慶を訪問して交流を図っています。
何より、日々の業務はWebミーティングで円滑に進められており、物理的な距離を感じさせない連携を実現しています。
今後は、重慶メンバーがB-EN-Gメンバーの一人である実感を持てる施策にも取り組んでいきたいと考えています。例えば、B-EN-G本社との研修や他の現地法人の訪問など、B-EN-Gのビジネスについて学びながら、様々な形で交流していけたらと思います。

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中国内陸部のデジタル化への貢献を目指す

重慶分公司の設立は、中国の広大な内陸部市場へのアクセス改善、優秀な人材の確保、そしてコスト効率の向上という複数の戦略的メリットを同時に実現する取り組みです。
また「重慶の豊かな歴史と文化に学びながら、B-EN-Gが培ってきた技術力とサービス精神を融合させていく。」ことを目指しています。今後、重慶分公司は中国内陸部におけるデジタル変革の一翼を担い、地域の発展とお客様の成功に貢献してまいります。
ちなみに「次の分公司も設立されるのですか?」と総経理にお尋ねしたところ、「サヨナラ逆転ホームランか、渋いセンター前ヒットだ」と言われました。私には意味が分かりません(笑)。分かる方がいらっしゃいましたら、ぜひお教えください。
今後も機会をいただけましたら、重慶分公司の発展と活動についてご報告させていただきます。

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